『延岡〜宮崎』
2007.3.29
 転勤で忙しい春休み。その中で唯一休めそうな日。ということで、『つぎはぎ日本一周』。今回も、どのルートにしようかと迷った。一日しか走れないという条件で、行き帰りもそれほどハードではないコースというと難しい。本当にもう限界が近いのかも・・・。それでもまだ、なんとかなりそうなコースということで、前回の続きの延岡〜宮崎のコースを選択した。
 前日も、できるだけ家族の時間をとってからスタートを思っていたら、予想外に遅くなり夜の10時50分ごろのスタートとなってしまった。萩から美祢に抜ける道から高速に乗り、小倉東で一度おり、その後再び高速という自動車での移動。これが結構きつい。結局、サービスエリアの中で延岡に一番近い別府湾SAに到着したのは深夜の2時40分ごろとなった。ここからまだ延岡まではだいぶあるが、睡眠時間のことを考えると、やはり、このSAでいつのものように車の中で寝ることにした。3月ということで、寝袋も準備し、防寒対策はしっかりとった。少々狭いが、運転疲れをした体はすぐに眠りにつくことができた。 

   

 本当なら6時ごろには起きて出発したかったのだが、さすがに起きることができず、結局7時すぎに目を覚ました。ここから延岡まで再び自動車で移動。思った以上に時間がかかり結局延岡の駅前の駐車場に到着し、準備を終えロードバイクでスタートを切ったのは9時45分になっていた。移動だけで6時間近くもかかっていることになる・・・・・・。
 スタートして国道10号線を南下する。少し行ったところに、とても懐かしいものを発見。それは、私が今から22年前に一番最初に所有した車スプリンタートレノが中古車店に展示してあったのだ。当時、格納式のライトがかっこよく、とても気に入っていた車だった。今、見てもなかなかかっこいいではないか・・・(自己満足?)値段は28万円と表示してあった。
 だんだん、南国の雰囲気がただよう。フェニックスの木がところどころ目につくようになってきた。

   

 太平洋側ということで、干潟が広がっている。珍しい地名「土々呂」(ととろ)というところを通る。となりのトトロを思い出す。
 鳴子川という川にかかっている橋には、両欄干に、小さな男の子と女の子が魚をとってよろこんでいる様子のレリーフがあり、ぼのぼのとした気持ちになる。
 仙ケ崎ということのには水門があり、そこ周りには商業施設が多く立ち並んでいた。全国展開をしている大型店は多く、全国どこへ行っても同じような店が立ち並んでいるが、そこならではの風景をこうしたところに求めるのは今は難しいのかもしれない、そんなことを初めて訪れたこの地でふと思った。 

    

 さらに足を進めると、まるっこい面白い形をした建物が見えてきた。「サンドーム日向」という体育館だった。
 商業施設は全国展開であるが、そこに生えていたり、植えられている植物は気候によってやはり特徴がある。このあたりはやっぱり南国の植物が植えてある。フェニックス?シュロ?のようなものが、道沿いにあるあたり、先ほど感じた、こととは逆に、やっぱり宮崎という気持ちにもなったりする。
 海が見えてきた。「つぎはぎ日本一周」はやはり、基本は海岸線を沿って走るので、こうでないと面白くない。やはり海は気持ちが大きくなるのでとても好きだ。何をちっぽけなことを・・・・と語りかけてくれるそんな存在である。
 まだ、3月だというのに、さすがにこちらは早い。もう田んぼに水がはってあり、代掻きをしていた。

   

 途中、良い感じのフェニックスがあり、そこから見える海岸線にはサーファーがいた。今日の海の感じ、風の感じはサーフィンにはちょうどいいのだろう。ただ、こういう風は自転車にはちょっときつい。割と平坦なコースなのだが、向かい風だったので、力を使った割には前に進まないという状態で、気持ちよく進むという感じになりにくいのだ。

   

 少し行くと美々津というところに来た。ガイドブックによると、ここは歴史的な街並みがのこされているところということで、楽しみにしていたのだ。また、日本海軍発祥の地ということらしい。

   

   

 美々津の街並みは歴史のあるものを大切に残そうとする気持ちが現れていて、心休まる風景だった。日本海軍発祥の地ということだが、なんと初代の天皇である神武天皇の時代というから今から2600年ぐらいも前のことらしい。神武天皇をお祭りした立磐神社もあったが、予想外にこじんまりとしていたが、そこがまたいい。神社の横のご神木もいい雰囲気だった。ここの街並みを行ったりきたりして楽しんだ。
 『つぎはぎ日本一周』をしていると、家にいるだけでは絶対知りえなかったであろう、その地、その地の歴史や、歴史にまつわる建物、土地、人物なども知ることができる。美々津が日本海軍発祥の地ということや、神武天皇ゆかりの地だということなど、ここに来て初めて知ることができた。そういう意味では、この『つぎはぎ日本一周』というのは、日本各地を訪れ、その地の表情、空気、風景を知るというだけではなく、日本各地の歴史にも触れる旅、そんな位置づけもできる。
 美々津を後にして、さらに南下する。10号線を通ったのだが、後から地図を見ると、海岸沿いにもう一つ道が通っていたので、そちらを通るとよかったかな?とも思ったが、まあ、仕方がない、海から少し離れた道を行く。川南町というところで、門司から300kmの道標があった。そうなんだ〜300キロも来たのか〜と感慨深い。桜の花はもう散っているようだったが、芝桜が綺麗なところがあり、写真をパチリ。
   
 途中、昼食のためによったレストランで、シーガイヤには行くつもりだけど、宮崎方面で自転車で行くといい観光地は他にありませんか?とたずねたら、従業員の方はガイドブックを持ってきたりして、探していた。即答ができないということは、あまりそうした観光地がないのかもしれない。ちょっと行ったらルピナスパークがあるとのこと。
 お礼をいい、そこに行ってみた。農業大学校の中にある公園のようなところだった。色とりどりの花が咲き、ゆっくり見てまわると面白いだろうとは思ったが、今回は、周りほど見て、次へ進む。茶畑があったり、高鍋駅にはさっきの公園と同じくらい綺麗な花が咲いていたりした。

   

 息子たちが2歳とか3歳のころ、鉄道が好きで、博多駅に行って鉄道を見て半日遊んだことがあったが、JR九州の列車は綺麗なデザインのものが多い。ハウステンボス号、湯布院の森号、つばめ、ソニック、ニチリン、などなど・・・。ここ宮崎を何気なく普通に走っている列車もあざやかな赤だった。

 

 遠くに、背の高いフェニックスの木々、その後ろに高い建物が見えてきた。いよいよシーガイヤに代表するリゾート地に近づいてきた。その近くには松林もあり、唐津の松林を思い出す。その松林を抜けると、高い建物が・・・。私のイメージで宮崎と言えば、シーガイヤと巨人軍キャンプ地、そして最近では東国原知事というものだが、その中の一つ、シーガイヤに訪れたのだ。宮崎らしい青い空のもと、くっきりとそびえ立つシェラトン・グランデ・オーシャンリゾート。かっこいい。左右対称のつくりになっていて、ちょっとした庇などの飾りは片方が西洋風、片方が和風というような演出もあったりする。

    

     

 その横にはシーガイヤ、オーシャンドームが・・・・。せっかくなので、中に入ってみたかったのだが、見るだけで、泳ぎもしないのに、2000円も払うのはちょっと・・・・という気がして止めた。見学だけのコースがあってもいいように思った。残念。

  

次にサンマリーナ宮崎、サンビーチ一ツ葉による。ここもいい雰囲気の海岸だ。フェニックスの葉が強風により大きく揺れていた。

  

  

 宮崎駅に到着。本日はここまでとした。5時ちょっと過ぎ。ロードバイクを分解して輪行バックに入れる。この作業も随分と慣れてきて、10分ぐらいでできるようになってきた。プラットホームで延岡行きの列車を待つ間に入ってきた列車も綺麗だったので、写真に撮る。

   

 今回のコース全体を通しての感想であるが、10号線中心にずっと南下したが、車道を通るのはちょっと危険と感じるほどの交通量があったし、歩道は整備されているにはいるが、段差が多く、自転車では振動が多く乗りずらかった。スピードも出せない。久しぶりにお尻が痛くなった。
 また、他のところは、市街地と市街地の間は車のとおりも少なく、建物もないようなところがあるのであるが、今回の延岡-宮崎間は、ずっと建物が続いていて、同じような風景が多かったという印象を持った。10号線以外のルートを通るともっと違った旅になったのかなあと思ったりした。まあ、ここまで出発地から遠くなると、最短距離を選び、距離をかせごうという気持ちが多くなったのは正直なところ。最初ごろは、できるだけ旧道をとおって、海岸沿いを進んでいたのだけれど・・・。
 それでも、美々津やシーガイヤなど印象深いところも多く有意義な旅となった。
 帰りは門司のSAで名物のラーメン&明太子ご飯を食べた。この組み合わせなかなかおいしかった。そこにあった自動販売機、あったか〜いがちょっとずれて、「たか〜い」自動販売機になっていた。

 

次回は、どこに行こう・・・・・悩むなあ。
走行距離 96.13キロ
平均速度  18.3キロ
最高速度  46キロ
費用   高速代 行き 美祢〜小倉東 2000円
      椎田道路 450円?
      院内〜大分米良   1550円
帰り    電車代 宮崎〜延岡 1600円
      高速代 大分米良〜院内 1550円
      椎田道路 450円?
      小倉東〜美祢 2000円     

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