『宮崎〜串間』
2007.5.5 
 昨年のゴールデンウィークにはツール・ド・国東のイベントに参加したが、今年は息子のサッカーの大会などもあり、参加しなかった。でも、この期間に一つは自転車関連のことをしたかったので、宇部の実家へ行ったときに一日ほど『つぎはぎ日本一周』をさせてもらうことにした。その日は5月5日一日だけ。ヤフーの天気予報を見ると、1週間前ぐらいの天気予報だと、晴れという予報だったが、近づくにつれ、どこの天気もあやしくなっていた。そんな中、『つぎはぎ日本一周』の続きで行けそうの場所で唯一曇りのマークだったのが宮崎。本当は肥前鹿島ぐらいがよかったのだが、こちらは雨の予報。雨の中をやるのはちょっと・・・と思ったので宮崎に決定した。
 しかし、前の晩、これから宮崎に向けて出発!という段になってヤフーの天気予報がなんと雨に変わっていたではないか。降水確率も50%と結構高い。悩んだが降水量が1mmという数値もあり、これなら降らない可能性もあると判断し、夜にスタートした。
 宇部東ICから入ったのだが、なんと、ここにはETCのゲートがないではないか。係りの人に聞くと、普通に通行券を取って入って、ということだった。これで、どうやって出口のETCを通るのかは疑問に思いながら言われるまま入った。宇部から宮崎まで高速を使っても426kmもある。今回はETCの深夜割引を利用する予定なので、8000円くらいのところが6000円くらいになる。これは大きい。でも、ETCのゲートがなかったのが気になる。
 熊本ぐらいから結構激しい雨が降り始めた。明日は大丈夫か?と心配になる。宮崎の100キロ手前の山江SAに深夜1時ごろ到着。ここで眠ることにした。今回は、車の外にキャリーをつけて、そこに自転車を積んできているので、後ろの座席を倒してフラットにすることができる。寝るのはやはり、これがベスト。
 朝7時過ぎに目を覚ます。ショック!外は雨。顔を洗ったりトイレにいったりして出発の準備をするが、移動には傘が必要なほどだった。
 まだ、宮崎までは100km近くある所なので、とりあえず宮崎は降っていないことを祈って出発した。車でテレビの音声が聞けるのだが、ここで再びショックな情報が・・・一番雨の可能性が低いと思って選んだ宮崎だが、大雨洪水注意報が出ているではないか!ところにより激しい雨、土砂崩れに注意してくださいというテレビの声・・・ここまで来てあきらめるのか、雨の中を強行するのか、悩んだ。が、宮崎まではとにかく行ってみることにした。
 ETCゲートを通らなかったことが心配で、結局携帯でロードサービスに問い合わせる。すると、普通の料金所を通過して、そこで、ETCの割引をお願いしてくださいということだった。無事、深夜割引にしてもらった。ほっ。(逆の場合、帰りはETCゲートから入って、普通のところから出て、ETCであることを言えば、手続きをしてくれる)
 宮崎駅に到着。相変わらず雨、雨、雨。車の中で少し待ってみたが、一向に止む気配がない。決断のとき。レインコートも持ってきているし、とちゅうで止むかもしれないので、この雨の中スタートすることにした。
 うまくいかない時にはこういうことが重なる。なんと、『つぎはぎ日本一周』のHP作りには欠かせないデジカメのバッテリーがほとんどないということが発覚したのだ。それでもなんとか動くので、節約をして撮ることにした。また、完全になくなってしまったときのために久々にコンビニでリサイクルカメラの39枚撮りを購入した。いつもはこれでもか!っていうぐらい写真を撮るのであるが、今回は枚数を節約しなくてはならない。

    

 雨の中、びしょびしょになりながら進む。それでもレインコートを頭からすっぽりかぶり、その上からヘルメットをつけているので、体の中には雨は入ってこない。ただ、汗が蒸れて服も徐々にぬれていった。
 今回の旅のメイン名所『青島』にやってきた。以前はハネムーンと言えば宮崎、青島というぐらい有名な場所だ。とても楽しみにしていた。行ってみると、雨だというのに、観光客は割といた。そして、いよいよ鬼の洗濯岩と言われる不思議な岩を目の当たりにする。すごいスケールだ。見れば見るほど不思議。写真を節約しなくてはならないが、思わず何枚も撮ってしまった。島の周りをこういう岩がぐるっと一周あるということだ。島には良い感じの神社もあった。

    

    

 青島を過ぎ、足を進めると、なんと、青島と同じような岩がずっと海岸線に沿うように見えるではないか。どこを見てもカメラスポットといった感じだ。スケールが大きい。雨の中、灰色の海がバックというのが少々残念ではあったが、来たかいがある風景だ。

    

 ここで、もう一つ大きなミスに気がついた。なんと、車の中に携帯用のポンプを忘れているではないか!。雨の中というのはパンクしやすいのだが、ロードバイクのチューブは仏式のバルブのため普通の空気注ぎではどうにもならないのだ。代えのチューブは持ってきているのだが、ポンプが無くてはどうにもならない。ただただパンクしないように祈るしかない。もし、パンクしたら、その場でタクシーを呼んで、そこで終了すればいい、と思い、そのまま続行した。それにしても情けない・・・。
 波状岩の海岸線を進むと、サンメッセ日南という看板が、ここにはモアイ像があるという。まあ、ここは遠目から拝ませてもらうだけで、先へ進むことにした。

  

 少し行くと、次の観光スポット、鵜戸神宮。上にも駐車場があったが、下の旧道を通って、できるだけ近くまでロードバイクで行こうと考えた。これが正解。旧道からは青島にも負けないような洗濯岩が見え、ここの景色もすばらしかった。
 そして、いよいよ鵜戸神宮。結構な数の参拝客。駐車場から歩いて本殿まで行くのだが、この道の雰囲気、この道から見える景色などとても良い感じだった。お社など、自然の洞窟を利用してあり、厳かな雰囲気もありここもお勧めのスポットである。

    

  また、ここには面白いものがある。運玉というもの。5つ100円で運玉を買い、女性は右手、男性は左手で岸壁の下に丸い穴の開いた岩(霊石亀石)をめがけて投げ、その穴に入ったら願いがかなうというものだ。高校野球の生徒だろうか、丸刈り頭の生徒たちがこれに挑戦し、一喜一憂して盛り上がっていた。折角ここまで来たのだから、私も、この運玉に挑戦してみることにした。これが結構難しい。左手ということもありなかなかこの穴に入らなかった。最後の一つになったので、しっかり狙いをさだめ投げると、見事、ぽちゃん、とその穴に入ったではないか。思わず「よっしゃ!」と声が出た。家族の健康、幸せを願った。

    

 帰りにちょっとお腹がすいたので、お好み焼きの「くしまき?」だったか島根ではあまり見かけないものを買って食べる。箸にお好み焼きをまきつけたようになっている。お味の方は・・・・。キャベツがほとんど入っておらず、小麦粉を食べているようで正直あまりおいしいとは思わなかった。やはりお好み焼きにはキャベツでしょう。

 

 ここまで出発してから40kmぐらい。それでもうお昼をまわっていた。せっかく400キロ、益田からなら500キロ近くかけてここまで来たのだから50〜60kmしか距離を進めることができなかったら寂しい。100kmを目標に、後はトレーニングモードになり、スピードアップ。それにしても、出発してからずっと雨は降り続いている。ここまで、コンディションの悪い『つぎはぎ日本一周』は初めてである。国東半島を回った時も雨だったが、後半は晴れてきたし、島原半島のときもそうだ。一日雨というのは今回が初。まあ、大雨洪水警報が出ているところ着ているのだから仕方がないと言えば仕方が無いのだが。
 普段ならお昼はどこかの食堂に入るか、コンビニで弁当を購入し、それを広げて食べるのだが、雨でレインコートはびしょびしょなので、食堂に入って脱ぐのも大変だし、弁当を広げるにしても雨の中だとちょっと大変なので、結局コンビニおにぎりとサンドイッチを購入し、コンビニの軒先で食べた。まあ、これも旅の思い出だ。
 次に向かったのは、飫肥(おび)というところ。ガイドマップにはここには歴史的な街並みが残っていると紹介があった。少しコースを外れ内陸に入るが行ってみることにした。ここでも歴史と出会うことになる。不平等条約の解消に尽力した小村寿太郎の生家があった。また、ガイドマップどおり、いい感じの街並みもしっかりと堪能できた。
 ついにここで、節約しながら撮っていたデジカメのバッテリーが完全になくなり、うんともすんとも言わなくなってしまった。予備のリサイクルカメラでここの街並みの写真を撮る。

   

  

 レインコートがぬれていたので、ここでも資料館などの施設には入館せず、外から眺めるだけにしておいた。
 220号線をひたすらトレーニングモードで進む。少々膝が痛くなる。久々だ。出発前に考えていた志布志にはちょっと間に合いそうもないので、串間を目標にした。4時20分ごろ串間に到着。ロードバイクを分解し、輪行バックに入れる。雨の中パンクをせずに100kmを走りきった。本当に助かった。4時50分に列車が来るので、それまでにレインコートの中で汗としみこんだ雨とでびしょびしょになった服を着替えてTシャツになった。ズボンもびしょびしょなのだが、こちらは代えがないので、がまん。

   

 連休中ではあるが、思ったほど鉄道の乗客は多くなく、輪行バックもいいところにおけ、うとうとすることができた。これが気持ちいい。時々は今日のたびを振り返ってメモ帳に書いたりして列車の中を過ごす。Tシャツだとちょっと肌寒い感じだ。疲れはしたものの、うとうとしたことで、随分気分的に楽になった。宮崎駅に着いて、構内を見ると、東国原知事の看板発見。
 雨の中でのハードな『つぎはぎ日本一周』はこうして無事終了した。
 いや、これから宇部まで400kmの道のりを帰らなくてはならない、これが大変。結局、ところどころのSAで仮眠をとりながら帰った。
 次こそ、どこへ?

 本日のデータ
  走行距離 100.99km
  平均速度 20.8km
  最高速度 49.0km
  実 走行時間 4時間51分08秒
  費用 高速代 宇部東〜宮崎 6100円
      運玉 100円
      串間〜宮崎 鉄道代 1600円
      高速代 宮崎〜えびの 1300円  (100キロ未満の通勤割引を使おうと思ったら割高になった)
            えびの〜宇部東 5050円

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