『丸亀〜東かがわ』
2007.8.5
次男は、家内の実家に行っているし、長男は部活、家族としてお出かけ、することもできないので、「つぎはぎ日本一周」を計画した。家族の理解により、なんと3日間の「つぎはぎ日本一周」のお許しが出た。本当に親父の道楽に理解を示してくれる家族に感謝。
3日間の旅は一昨年の伊万里〜諫早以来である。あの時は野宿をしたりして、大変な思いをしたが、それだけに、思い出深い旅となっている。
さて、今回は、どこに行こうか迷ったが、帰りの電車のことなどを考えて、四国方面を目指すことにした。前回は丸亀まで行っているので、ここからおよそ300キロ進むとして、大体、室戸岬近辺か。ただ、室戸まで行ってしまうと、ここには鉄道が通っていないので、その手前か、それを過ぎたところで、帰ることとなる。
いつもの『つぎはぎ日本一周』ように、丸亀まで、車で行き、そこからスタートすることになると、瀬戸大橋を車で渡る必要がある。瀬戸大橋を渡るとなると、結構な料金が・・・と思って、インターネットで調べてみると、4100円(早島〜坂出)金額がかかる。これの往復なので、橋だけで、8200円。これは、痛い。『つぎはぎ日本一周』は、できるだけ安く旅をするのが似合うのだ。そこで、次に思いついたのは、橋の手前まで車で行き、そこから電車を使って橋を渡るという案。輪行すれば、いいだけのこと。料金を調べると、790円(早島〜丸亀)往復でも、1580円ということになり、差額が6620円にもなる。これは大きい。ということで、今回は、早島というところに車を止めることにした。
前日の8月4日の夜からスタートした。戸河内から高速に乗って早島まで行くルートだ。戸河内に行くときに聖湖あたりの峠を通るのだが、その辺りは8月だというのに、道沿いに紫陽花の花がいっぱい咲いていた。ただ、夜だったので、見ごろかどうかは分からなかったのだが、枯れているようには見えなかった。
高速道路の深夜割引を使うため、途中の福山サービスエリアで朝まで眠ることにする。夜なので、外からの視線はそれほど気にはならないのだが、フロントガラスには、銀色の日よけをつけ、窓には、ワンタッチで大きくなる吸盤つきの日よけをはり、寝床が完成である。今回は早島についたら、すぐに電車に乗るので、最初からビアンキを分解して輪行袋にいれている。そのため、車の後ろは比較的スペースがあり、しっかり足を伸ばして眠ることができた。
朝5時におき、出発の準備をする。まだ、福山サービスエリアから早島までは50キロぐらいはある。サービスエリアは、トイレの心配もすることはいらず、洗面所もあるし、ちょっとした朝食ならとれるので、『つぎはぎ日本一周』で車中泊をするときには、ありがたい場所なのだ。高速を通っていると、朝日が見えてきた。夜から朝になっていくこの雰囲気は神々しさを感じる。
早島に到着。駐車場を探すと、駅のすぐ近くにあった。3日間駐車をしておくので、結構な額になるが、橋を渡ったとしても、そこでも駐車しなくてはならないので、まあ、この出費は仕方ない。この駅には、とても立派な駐輪場があった。
駅で電車を待っていると、2階建ての立派な電車が入ってきた。サンライズ瀬戸と言う寝台特急である。
6時51分のマリンライナー5号に乗り、瀬戸大橋を渡る。四国上陸である。坂出で一度乗り換えをして、丸亀に到着。7時34分。
早速、ビアンキを組み立てる。前回は時間の関係で下から写真だけ撮った丸亀城を目指す。丸亀城の特徴は、なんと言っても石垣の高さ。お堀から4層に重ねられたその高さは60メートルと言われている。天守閣に向かう急な坂道を登っていく。天守閣に到着したが、その天守閣は、予想よりも小さく、こじんまりとしたつくりだった。下から見ると石垣とあわさって、相当大きく見えるのだが・・・。それでも、やはり60メートル登ってきただけはある。すばらしい景色だ。まだ、朝早いということで、残念ながら天守閣の中へは入れなかったが、記念撮影などして丸亀城をあとにした。
香川県、いや四国と言えばイメージするものの一つとして金比羅宮がある。『つぎはぎ日本一周』のルートで言うと少し引き返すことになるが、やはり、ここははずせないところだ。およそ10km逆戻り。町中を通るのは、車の通りもあるが、あまり気持ちいいものではない。金比羅宮に向け、ひたすら自転車を進める。
標識に沿って進むと、金比羅宮の参道に出る。さすがに朝早いので、まだそれほどの人手ではないが、お店がちらほらと開き始めている。自転車で進んでいると、名物の石段が見えてきた。すると、お店の人に声をかけられた。「自転車とめられるよ。」おおなんと親切な、と思っていると「帰りにうどんでも食べてってね。」・・・・まあ、商売だわな、と納得して自転車をとめさせてもらう。すると、先着の方がいたようで、数台の自転車が止まっていた。見ると、プロントンの折りたたみ自転車が仲良く2台、グリーンとオレンジのかわいいやつだ。その奥にはランドナーが。自転車仲間を発見したようでなんだかうれしくなる。
さあ、石段にチャレンジだ。石段をはさんでずっとお土産屋が軒を連ねている。日よけ用の白い幕のようなものが段々にはってある。最初のころは軽快に進んでいたのだが、結構きつくなってきた。そんな中、私より先を歩いていたおじさんが、立ち止まっていた。苦しそうだったので、声をかけたけれど、「大丈夫」とのこと。再び歩き始めるその姿を見て、一安心。
立派な建物が見えてきた。やっと着いた!と思ったら、そこは旭社というところ。後で、そのおじさんに聞いたのだが、森の石松もここが本殿と思って帰ったとのこと。
気を取り直して再び石段を登る。そして、ついについに本殿に到着。ここまでで、785段の石段を登ってきたことになる。
家族の健康と幸せを願いお参りをした。そして、景色を楽しんでいると、さっきのおじさんが近づいてきて「奥の社があるけど、行かんかね?」と声をかけてくれた。そして、さっきまで、苦しそうにしていたのに元気に奥の道へ進んでいった。なんとなく私も行ってみることにした。今度は、その方とお話をしながら石段を登った。歴史にとても興味があるということで、金比羅宮に関することをいろいろと教えていただいた。さっきの旭社のことなどである。他にも石段には回る方向があって、さっき登ってきた方は登りで、降りる石段は別にあることなど、金比羅山の歌の歌詞の一度回れば・・というのはその意味だなどと、おみくじに金色の犬が入っていたのだが、なぜ、犬が入っているかという話、境内で昔から商売ができる五人百姓の話、次から次へとお話をしてくれた。本殿から奥社まで583段も石段があったのであるが、話しながらだとあっという間に着いた。奥社で記念写真。ホームページに載せてもいいというお許しをいただいた。「Sさん、興味のあるお話をいろいろと、ありがとうございました。」
奥社からの眺めもまた最高。
自転車をとめさせてもらっていたお店に行き、うどんを注文。ここ讃岐では、うどんに専用の醤油をかけてまぜで食べるのだそうだが、その方法でいただいた。とてもうまかった。
本当なら、金比羅山に行った後は『つぎはぎ日本一周』のルートを進めようと思っていたのだが、Sさんから善通寺のことも聞いたので、こちらにも行ってみたくなり、そこへ向かう。
途中、自衛隊の基地があったので、ちょっと中を覗いてみたら、乃木記念館というものがあった。無料ということなので、入ってみることにし、門をくぐろうとすると、自衛官に呼び止められた。やはり厳重だ。記名をするように言われた。そして、記念館に連絡してから入ってもいいという許可をもらう。記念館に行くと、Nさんという方がわざわざ私一人のために解説をしてくださるというのだ。館内をめぐりながら一つひとつ丁寧に解説をしてくれた。乃木さんの誕生から死にいたるまでのことや、この館内が司令部で、ここで仕事をしていたことなど、1時間ぐらいかけて、じっくりと回った。坂の上の雲には、あまり乃木将軍のことはよくかかれていなかったので、そのことに触れるのはタブーかな?と思っていたら、Nさん自らそのことにも触れてお話をしてくれた。明治天皇の大葬の義の朝に、自害をされたということなどを聞き、改めて乃木希典という人物をもっと知りたいなあと思った。その記念館の外には、自衛隊で使っているヘリコプターや戦車などが展示してあった。こちらも、見て、それから出発した。
ここ善通寺は当時の軍の司令部がある場所として空襲をほとんどうけなかったという珍しい場所だそうで、(捕虜収容所があったため)今でも、当時の建物が残っている。雰囲気のある赤レンガの横の道をおとり、善通寺に向かう。
善通寺と言えば空海誕生の地として有名だが、諸説があるらしい。まず、目に入ってくるのが立派な五重塔。高さが45メートルもあるそうだ。左側に向かって進むと、御影堂がある。その地下にさきほど、金比羅山でであったSさんお勧めの「戒壇めぐり」なるものがあるという。どんなものか、挑戦してみることにした。入ってみると、いきなり真っ暗闇の世界が待っていた。左手を壁にくっつけ、ただ、その壁だけがたよりという状態だ。上も下も全く分からない、ほんとうに闇の世界。これだけ真っ暗な状態というのは、今まで経験したことがない。おそるおそる一歩ずつ前へ進む。気の弱い人なら、パニックになるかもしれない。私は、まあなんとか進むことができたが、こんな不安な気持ちを久しぶりに味わった。途中、ぱっと明るくなり、弘法大師のありがたいお声を聞こえる場所についた。明かりのありがたさを感じた。
再び、暗闇の道を通って、外に出る。これで、生まれ変われるということらしい。
現代は、夜と言っても、明かりがいたるところにあるので、暗闇の恐怖に接するということがほとんどないが、昔の人は暗闇ともっと密接に関わっていたのだと思う。今、妖怪とかお化けとか言われても、ぴんとこないところがあるが、昔なら本当にそういうものがそこにいるのでは?という気持ちになっていたのだと思う。まあ、今でも、山の中など、人がいない場所で、夜を過ごさなくてはならない場面などに遭遇すると、妖怪やお化けも真実味を帯びてくるというのは容易に想像できる。この『つぎはぎ日本一周』では、宿泊場所の確保ができないことも予想され、そうした山の中で野宿?ということも可能性としてはある。想像すると、ちょっと怖い気がしてきた。「戒壇めぐり」を経験して、暗闇についてそんなことを考えたりした。
善通寺を後にしていよいよ本来の『つぎはぎ日本一周』のコースである、丸亀から東に向かう。坂出の町を左手に眺めながら国道11号線を東に向かい進む。地図で調べると、高松城と高松駅がすぐ近くになるので、そこを目標とした。途中のガソリンスタンドではレギュラーガソリンがなんと、147円になっている。ほんの数年前までは安いときには85円とか88円とかしていたような気がするのだが、・・・。個人的には、マイカーをプリウスにしておいてよかったと本当に思う。
ここ、讃岐平野には、特徴的な山がいくつかある。その代表が讃岐富士と呼ばれる飯野山だ。(写真の山だと思うが、違っていたらお許しを)高さは、421.9mだそうだ。こういう富士山ににた形の山があちらこちらに見える。そして、讃岐と言えばため池。このため池とこういう形の山がマッチして、いい雰囲気をかもし出していた。
まだ、高松駅に着いていないのに、午後3時を回ってしまった。昼食は、さっきのうどんだけでは少々足りないので、再び、讃岐うどんにチャレンジをする。セルフサービスのうどん屋だ。ここのうどんもまた、うまかった。
高松駅は、高松港と隣接しているということもあるが、想像以上に立派で綺麗な建物だった。港の雰囲気もよく、さすが、香川の県庁所在地。高松城跡は、中には入らず外から眺めて、次へ進む。
高松と言えば、屋島の合戦。その屋島へ向かう。近づいてくるにつれ、頂上付近がぼこっと、盛り上がった特徴的な形の山が目に入ってくる。屋島である。標識に沿って屋島に向かうが、最初、屋島神社があったので、そこにお参り。そこから見える屋島もなかなか迫力があっていい。その後、屋島へ向かう屋島ドライブウェイがり、料金所がある。自転車で通れるか聞くと、自転車はNGとのこと。自転車で行くとしたら、どうしたらいいか聞くと、その方法はないそうだ。歩いてなら行く道はあるということだが、山道とのこと。時間ももうすでに、4時58分。折角だが屋島に登るのはあきらめて、次へ足を伸ばすことにした。今日は、金比羅宮、乃木記念館と、予想外に時間がかかっていて、あまり距離が稼げていないのだ。
再び国道11号線を東に進む。志度という町に到着。ここは、エレキテルで有名な平賀源内の生誕の地である。もう時間が遅かったので、資料館などには入れないが、この町に寄ることにした。大きなわらぞうりが印象的な志度寺。ここにも立派な五重塔がある。また、門の左右にはこれまた立派な東大寺の南大門を思わせる金剛力士像もあった。平賀源内の墓もあり、志度という町の雰囲気を味わう。
志度を後にし、先へ進む。そろそろ今晩の宿の心配をしなくてはならない。金比羅宮に登ったからだろう、左ひざの外側と、右ひざの内側が痛くなってきた。ビジネスホテルはたいがい駅の近くにあるので、駅にさしかかると、辺りをよくよく見て進む。結局見つからないまま白鳥という駅まで来た。その周りにはどうも、ホテルらしきものはない、仕方がないので、そこに停まっていたタクシーの運転手ビジネスホテルが近くにないかを聞いてみた。もう過ぎていたのだが、三本松というところにあることを教えてくれた。そこに行ってみると立派なホテルがあった。少々高そうだったが、野宿よりもまし、ということで、宿泊することにした。1泊7800円。『つぎはぎ日本一周』で利用する宿としては高い部類に入る。
素泊まりなので、外に食事に出ることにした。
『つぎはぎ日本一周』中は、安全のため、ヘルメットを必ずかぶるようにしているし、手袋もつけている。特にスピードがでるロードバイクの場合はなおさらだ。今回も、ずっとかぶってきた。ただこの時は、夕方、ちょっと食事に出るだけなら・・・という軽い気持ちで、ヘルメットもつけず、手袋もはめずに出てしまった。食事も終わり、後はホテルに帰るだけになったが、ちょっとしたつまみや、雑誌などを買いに24時間オープンのスーパーに寄った。片手に雑誌、片手につまみというレジ袋2つをもってロードバイクに乗ることとなった。さあ乗って行こうと自転車にまたがろうとした瞬間、思いもよらないことが・・・。なんと、そのレジ袋がスポークにからまって、前輪がロックをした状態になったのだ。軽量のロードバイクのこと、すぐに前につんのめることになる。ただ、悪いことに、この時、両手にレジ袋をもってハンドルを持っているため、手を出そうにもレジ袋が邪魔して手が出せなかったのだ。右手のハンドルのところで一度なんとか止めようとしたのだが、それもむなしく、まっさかさまに地面に向かうこととなる。ヘルメットをかぶっていない頭で着地をしてしまった。その時のジャリというようないやな音と、痛さ。思わず、「痛っ!」と声を出してしまった。こういう時というのは不思議なもので、痛さよりも、そのかっこ悪さを心配している自分がいる。まず、辺りを見てしまうのだ。2人ほど、おばさんがいて、こちらを見ていた。「あらら」みたいな声をあげている。痛いのだけれど、そのおばさんの手前大丈夫!みたいなリアクションをしていた。それでも、相当痛かったので、きっと血がどばっと出ているのでは?と思っていたのだが、不幸中の幸い痛みはあるものの、外傷は、かすり傷程度だった。
触っても骨にも異常がなさそうなので、一安心。それにしても、痛かった。
今回なぜ、こんなことが起こったのか、今後気をつけるために原因の究明。
1.短い距離ということで、油断してヘルメットをかぶらなかったこと。
2.レジ袋を両手で持ってしまったこと。(できたら、リュックなどに入れる。)
3.進む、またぐ、方向を変える、の動作を同時にしてしまったこと。(まず、またぐ、そして、進む、それから方向を変えるというようにすれば、こういうことはふせぐことができる)
このように痛い出来事に遭遇し、一気に落ち込んでしまった。今までの『つぎはぎ日本一周』ではいろいろとハプニングはありはしたが、不思議と怪我や事故は経験していなかった。しかし、今回のことで、油断は禁物、十分に注意しないといけないということを身にしみて感じた。旅先のこと、いざという時には対応できないのだ。
ということで、早めに就寝。なんとか、一日目を終える。
本日のデータ
走行距離 107.88km
平均速度 19.1km/h
最高速度 50.0km/h
高速代 戸河内〜早島 3000円(深夜割引)
早島〜丸亀 鉄道代 790円
善通寺 戒壇巡り&宝物館入館料 500円
ホテル代 7800円
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